こんにちは!
今日はわんちゃんの高カルシウム血症の話をさせていただきます。
カルシウムというと骨を丈夫にするための重要な要素ですが、高すぎても低すぎても体に悪影響を及ぼします。
高カルシウム血症になったときの症状は食欲不振、元気消失、多飲多尿などがありますが、原因によっては全く症状を示さない子もいます。
ですので健康診断で偶発的に発見されることも多いです。
わんちゃんの高カルシウム血症で発生率が多いものは「原発性上皮小体機能亢進症」と「悪性腫瘍」です。
悪性腫瘍の場合は腫瘍本体からカルシウムを上昇させるホルモンがでることで高カルシウムになります。この場合は悪性腫瘍が原因ですのでわんちゃんは具合が悪くなることが多いです。
一方、「原発性上皮小体機能亢進症」の場合は「上皮小体」というカルシウムを調節する臓器の機能が働きすぎることによりカルシウム上昇作用のあるホルモンが大量に分泌され高カルシウム血症となります。この病気が原因で高カルシウム血症になっている場合は、本人の調子はそこまで悪くない・無症状であることも多いです。
上皮小体の機能が亢進してしまう根本的原因は上皮小体の「腫瘍化」「過形成」があります。その中でも「上皮小体腺腫」という良性の腫瘍が一番多い原因です。
次回の更新ではこの「原発性上皮小体機能亢進症」についてもう少し詳しくお話していきます!
獣医師:清水