●眼科
当院の眼科について
眼科疾患の代表的な症状としては、充血している、目やにが出る、白く濁っている、眼をショボショボしているなどがあります。一方で視力の低下など、見た目には分かりにくいものもあります。
眼科分野においては内科的治療と外科的治療があり、手術が必要な場合には専門病院をご紹介させていただきます。
眼科の診断・検査
眼科疾患には特定の犬種によく発症するものや、遺伝性のもの、発症年齢に傾向があるものもあります。動物個々の状態をしっかりと見ながら、様々な検査で判断していきます。
眼科の検査
スリットランプ検査
スリットランプを用いて、前眼部の検査や、スリット光による中間透光体の検査を行います。
眼圧測定
眼圧の状態を測定することで、緑内障やぶどう膜炎の状態を検査します。
眼底検査
網膜剥離や進行性網膜変性などを検査します。
フルオレセイン染色
眼を染色することにより角膜潰瘍の検査を行います。
涙液量検査
涙の量の状態を調べることで、乾性角結膜炎の検査をします。
代表的な眼科の病気
当院で実施している眼科診療での対応例の一部をご紹介します。
角膜潰瘍
(1) 病気の概要及び症状 |
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角膜潰瘍は角膜上皮が欠失した状態のことで、さまざまな程度の角膜実質欠損をともなうこともあれば、それをともなわないこともある。角膜潰瘍は短頭種の犬で、難治性角膜潰瘍はボクサーや中高齢の犬でよく認められるが、どの犬種でも発生しうる。 |
(2) 診断のために行う検査 |
・視診 ・スリットランプ検査 ・染色検査 ・他必要に応じた眼科検査(眼圧測定など) |
(3) 治療方法 |
・点眼薬療法 ・外科療法(悪化の度合による) |
第三眼瞼腺脱出(チェリーアイ)
(1) 病気の概要及び症状 |
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第三眼瞼腺の脱出はよく認められる疾患であり、ほとんどが1歳未満に発症する。はじめは片側の第三眼瞼腺の脱出として出現するが、時間差で両眼ともに出現することが多い。遺伝的に欠損している場合や発育に異常がある場合に第三眼瞼腺脱出の発症が多い。コッカー・スパニエル、ビーグル、ペキニーズ、ボストン・テリア、バセットハウンド、フレンチ・ブルドッグ、シー・ズーが好発犬種である。症状としては流涙症、結膜炎、疼痛などが生じる。 |
(2) 診断のために行う検査 |
・視診 ・他必要に応じた眼科検査 |
(3) 治療方法 |
・外科療法 ・点眼薬療法 |
犬の乾性角結膜炎
(1) 病気の概要及び症状 |
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乾性角結膜炎は涙膜の欠乏によって起こる角膜及び結膜の炎症性疾患である。通常は水層の欠乏であるが、粘液層の欠乏も原因であると考えられている。水層の欠乏により炎症は生じた角結膜上皮細胞は、扁平上皮化生や壊死を生じる。慢性例では、角膜輪部より、血管新生、それに伴い炎症性細胞の角膜上皮下〜固有層への湿潤により角膜の白濁や色素沈着を呈する。 |
(2) 診断のために行う検査 |
・視診 ・涙液量測定 ・他必要に応じた眼科検査 |
(3) 治療方法 |
・点眼薬療法 |
白内障
(1) 病気の概要及び症状 |
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白内障は病的に水晶体の嚢、皮質、核の混濁により透明性が低下した状態を言う。 症状は目の白濁化である。合併症は水晶体起因性ぶどう膜炎、水晶体脱臼、続発緑内障、網膜剥離の4疾患が代表的である。 |
(2) 診断のために行う検査 |
・視診 ・スリットランプ検査 ・他必要に応じた眼科検査 |
(3) 治療方法 |
・外科的治療(他院への紹介となります) |
緑内障
(1) 病気の概要及び症状 |
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犬の緑内障は、視神経症、または網膜神経節細胞およびその軸索の障害を引き起こすさまざまな要因によって引き起こされる疾患群とされている。眼球の内圧は房水が流れることで一定に保たれているが、さまざまな原因で房水の流出路が障害されると緑内障が生じる。一度緑内障によって視神経が障害されて失明に至った眼では、視覚を回復することはない。その為、緑内障の診察では、早期発見、早期治療が必要不可欠である。 |
(2) 病気の種類 |
緑内障はその原因により、先天緑内障、原発緑内障、および続発緑内障に分類される。 «先天緑内障» 房水流出路の形成異常により生じる緑内障で、犬ではまれである。 «原発緑内障» 眼圧の上昇を引き起こすような先行する眼疾患がないものをいう。多くの犬種で遺伝性であり、両眼性に発症する。犬で最も多くみられる型である。 «続発緑内障» 眼圧の上昇を引き起こすような先行する眼疾患があり、それにより物理的に房水の流出障害が生じ、緑内障に至ったものをいう。 |
(3) 診断のために行う検査 |
・視診 ・神経学的検査 ・眼圧測定 ・他必要に応じた眼科検査 |
(4) 治療方法 |
・点眼薬療法 ・外科的治療(他院への紹介となります) |