猫の消化管腫瘍(リンパ腫)②

前回、腸に腫瘍が見つかった猫ちゃんですが、その後繰り返しの嘔吐症状がみられ、食欲も落ちてしまいました。

本人の状態改善・腫瘍の診断も含めて手術を行うことになりました。

 

以下、手術中の写真がでてきますので注意してください。

お腹を開けて腸を出したところです。腸の部分から大きな固い腫瘍が発生していました。



腫瘍が発生した部分の腸を腫瘍ごと切除しました。

 

腫瘍を切除したあとは正常な腸同士をつなぎ合わせて縫合します。

 

 

 

手術後は吐くこともなくなり、食欲もでてくれました!

 

切除した腸を病理検査にだしたところ「リンパ腫」という悪性の腫瘍でした。

リンパ腫は血液の一部である「リンパ球」がガン化したものです。本来は針の検査(細胞診)で診断がつきやすい腫瘍ではあるのですが、この子の場合は腫瘍周囲での炎症が強かったため細胞診では腫瘍本体の細胞が採取できなかったと考えられました。

リンパ腫は「血液のガン」なので腫瘍が切除されていたとしても、再発を防ぐために術後は抗がん剤治療が推奨されます。

この猫ちゃんも術後の体調が落ち着き次第、抗がん剤をはじめることになりました。

 

猫ちゃんのお腹の腫瘍は飼主さんが気づかないことも多いですが、大きくなると触診でもわかることがあります。

中高齢の猫ちゃんで最近吐くことが増えた・よく下痢をする・痩せてきてしまったなどの症状があれば早めに病院にかかりましょう。

 

獣医師:清水