今日は高齢の猫ちゃんに多い『慢性腎臓病』についてお話させて頂きます。
慢性腎臓病とは様々な原因により腎臓の組織が壊されることで腎臓の機能が低下していく病気です。腎臓は体の中で作られた毒素をおしっこにして体の外に出すという重要な役割を担っています。
慢性腎臓病になると毒素の排泄がうまくできなくなります。さらに進行すると尿毒症という状態になり最終的には亡くなってしまいます。
一度壊れてしまった腎臓の組織は残念ながら元に戻ることはありません。その為、慢性腎臓病は早期発見・早期治療を行うことで進行を遅らせることが非常に大切になります。
では慢性腎臓病になるとどのような症状がでてくるでしょうか?
飼い主さんが気づきやすい症状としては食欲・元気低下、嘔吐、体重減少、多飲多尿(尿量・飲水量が増える)、口臭の悪化、脱水などがあります。
特に多飲多尿は慢性腎臓病の初期症状として現れやすいので、年を取った子がおしっこの量や水を飲む量が増えたなと感じたら注意が必要です。
慢性腎臓病の診断としては血液検査・尿検査・超音波検査などを組み合わせて行います。
治療は慢性腎臓病の進行度合いにより変わります。
初期の場合で、食欲元気に問題ない子の場合は腎臓療法食による食事療法を行うだけでも腎臓病の進行を遅らせることができます。
病気が進行し、体調不良がでている子に対しては点滴治療を中心に行い脱水の改善・体内の毒素を薄めて体の外におしっことしてだすのを手伝ってあげます。
慢性腎臓病は早期発見が重要です。最近では従来より早い段階で血液の検査で腎臓病が分かる方法もでてきています。高齢期のわんちゃんねこちゃんは健康診断も兼ねて年に1~2回は血液検査をしてあげましょう!