犬の精巣腫瘍

去勢していないわんちゃんに起こる可能性のある精巣腫瘍について今回は取り上げたいと思います。

精巣が腫瘍化してしまった場合、多くの子で精巣が腫れてきたりします。

わんちゃんの精巣腫瘍には「セルトリ細胞腫」「精上皮腫」「間質細胞腫」の主に3種類があります。特に「セルトリ細胞腫」であった場合は毛が抜けたり、貧血や男の子なのに乳首が腫れてきたなどの症状がでることもあります。

精巣腫瘍になってしまった場合は基本的に手術で腫瘍化した精巣をとりますが、悪性の腫瘍であった場合やお腹や胸に転移していると手術でもとりきれないことがあります。

 

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左)摘出した精巣腫瘍

右)手術前のレントゲン(黄色の丸が腫瘍)

 

 

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左)腫瘍化した精巣

右)反対の精巣

 

 

 

わんちゃん・ねこちゃんは生まれてすぐの時には精巣は陰嚢の中ではなく、まだお腹の中にあります。わんちゃんなら正常であれば生後30日後くらいから精巣が陰嚢内に降りてくるようになっています。しかし時々、大人になっても精巣が陰嚢内に収まっておらず、お腹の中や皮膚の下に留まってしまっているままの子がいます。これを「陰睾」または「潜在精巣」というのですが、この陰睾になってしまった精巣は精巣腫瘍になる確率が高いです。お腹の中にある精巣が腫瘍になってしまった場合は腫瘍が大きくなってきても分からないことが多いです。

精巣腫瘍の予防は何と言っても若いうちでの去勢手術です!特に「陰睾」になってしまっている場合は腫瘍になってしまう前に早めに去勢手術によって精巣を取ることをおすすめします。

最近、「睾丸が腫れてきた」・「大人になっても陰嚢内に睾丸がない」などがあればお早めに当院にご相談下さい。