白内障

今回は、飼い主様にもなじみのある方が多い、白内障についてです。

白内障とは、目の中の水晶体という部分が、様々な原因によって白く濁った状態を言います。

白内障になる原因の多くは、加齢によるもの(加齢性)と、犬種によるもの(遺伝性)です。
しかしその他にも、水晶体への直接的な衝撃によるもの(外傷性)、糖尿病などの内科的な疾患から生じるもの(代謝性(ワンちゃんで多いです))、他の目の病気から生じるもの(続発性)などがあります。

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加齢性の白内障 外傷性の白内障(左眼)

では白内障とは、目のどのような変化なのでしょうか。
水晶体は、水分とたんぱく質で構成されています。
白内障は、このたんぱく質に不可逆的な(一度起きると元に戻らない)変化が生じることで起きます。
そのため、一度起きてしまった白内障を「治す」ためには、手術が必要になります。
しかし、加齢性に起きた白内障は、一般的に手術をしないことがほとんどです。

ここまでの話だけでは、「治すことは出来ないし、年齢のせいならしょうがない!」
と思う方もいるかもしれません。

しかし、白内障をしょうがないものだとそのままにしておくと、白内障から進行して、ぶどう膜炎や、痛みを伴う緑内障にまでなることがあります。

その進行を予防するために、「治す」わけではありませんが、「進行を少しでも遅らせる」ために、点眼薬やサプリメントを使用することもできます。

また、目が白くなる原因は、白内障だけではなく、他にもいろいろな目の病気の可能性があります。ワンちゃんやネコちゃんの目に異変を感じたら、早めに病院へ相談に来てください。