毛包虫症

今回は、毛包虫症と呼ばれる皮膚病についてです。

この病気の主な症状は、丘疹(湿疹)や紅斑に始まり、悪化してくると脱毛も起きてきますが、痒みを伴わないことが多いのが特徴です。
この病気の原因は毛包虫(ニキビダニ)と呼ばれる、毛穴に寄生してフケや皮脂を食べる寄生虫です。

毛包虫は常在生物と呼ばれ、ワンちゃんの皮膚にもともと少なからずいるものです。
そのため、同居のワンちゃんがいても、感染してしまうということはほとんどありません。
しかし、まだ幼いときや、何らかの要因によって免疫力が低下してしまうと発症し、その発症機序から再発の可能性が高い病気と言えます。

図1 図3
 毛包虫(矢印)  皮膚病変(左後ろ足)
脱毛と発赤が認められました

この病気により、二次的に細菌性の皮膚炎などになってしまうケースも多々あります。
またその他にも、皮膚病は見た目ではなかなか区別することが難しく、同居のワンちゃんにも感染してしまう皮膚病もあるので、ワンちゃんの皮膚に気になることがあれば、一度病院に行ってみましょう。