子宮蓄膿症

子宮蓄膿症というと、人ではあまり馴染みがない病気で、「どんな病気?」と思う方も多くいるかもしれませんね。
名前の通り、子宮内に膿がたまってしまう病気なのですが、この病気は実はとても怖い病気です。外陰部から膿が出てきていれば、おかしいな、とわかるのですが、外見上は一見変化が見られないことも多々あります。そうして元気がなくなり、水を飲む量やおしっこの量が増えたり、嘔吐といった症状が出てきたら治療を急がなければなりなせん。もし治療が遅れると、腎臓などの臓器に障害が出たり、子宮が破裂しておなかの中に膿が出てしまったりしてしまいます。こうなってしまうととても大変で、場合によっては亡くなってしまうこともあるのです。

また、この病気の原因はまだ完全には明らかになっていませんが、発情にかかわるホルモンの一つが、この病気の発病の要因となっていることはわかっています。
つまり、このホルモンの分泌を抑えることが、この病気の治療につながります。

この病気の治療法としては、卵巣子宮摘出術(いわゆる避妊手術)という外科的な治療法と、投薬による内科的な治療法がありますが、投薬での治療は子宮蓄膿症の進行具合により適さない場合や、投薬で効果がでても再発の可能性が比較的高く、根治を目指すのであればやはり外科的に卵巣と子宮を摘出してしまうことがよいと思います。

正常な卵巣、子宮  子宮蓄膿症の例(1)  子宮蓄膿症の例(2) 
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また、この病気を予防する方法としても、避妊手術は有効です。
そのため、子宮蓄膿症の予防のためにも、もしも産仔することを考えていないのであれば、一度避妊手術について、お近くの動物病院へ相談してみてください。